『朝起きて歩き出すと足の踵が痛い』
『歩くたびに足の裏がズキっとする』
『運動や長時間の立ち仕事がつらい』

このような足底筋膜炎の症状は、日常生活のちょっとした動作をつらくさせるため、とてもストレスになりますよね。
中には、
・インソールやストレッチを試しているけど改善しない
・病院で異常が見つからず、どうしていいかわからない
・湿布や痛み止めでごまかしているけれど、スッキリしない
などのお悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。
足底筋膜炎でお悩みの方は、トリガーポイント鍼灸療法も有効な選択肢の一つです。
このページでは、
・足底筋膜炎の原因と分類
・なぜ鍼灸が効果的なのか
・特に「トリガーポイント鍼灸療法」が有効な理由
について、わかりやすく説明していきます。
少しでも快適な日常を取り戻すきっかけになれば嬉しいです。
1.足底筋膜炎とは
足底筋膜炎には、以下のような症状が見られます。
・足のかかとや土踏まずの痛み
・歩き始めや長時間歩行後の痛み
・足裏の張りや疲労感
・足のアーチの崩れや左右差
原因は一つではなく、複数の要因が絡み合って起こることが多いです。
主な原因としては:
・長時間の立位、歩行、ランニングなどの負荷
・足のアーチの低下や扁平足
・足の使い方のクセ(内また、外また)
・加齢による筋膜や腱の硬化
・足やふくらはぎの筋肉の緊張
・足やふくらはぎのファシアの癒着(滑走障害)
特に最近注目されているのが、筋膜などのファシアの癒着(滑走障害)が引き起こすタイプです。
足の裏には、かかと(踵骨)から指の付け根まで伸びる「足底筋膜」という強靭な膜状の組織があります。
この膜は、筋肉・脂肪・皮膚・骨膜などと層状に重なっており、それぞれが滑り合う(滑走)ことでスムーズに足が動きます。
しかし、
・長期間の炎症
・繰り返しの牽引ストレス(立ち仕事、ランニングなど)
・歩行や姿勢のアンバランス
といった負荷が続くと、
炎症の修復過程でコラーゲンが過剰に沈着
↓
それにより、筋膜(ファシア)同士が癒着・硬化
↓
結果として「滑走不良」が起こり、動かすと”突っ張る・引っかかる・ピキッと痛む”
という悪循環になります。
【癒着の起こりやすい部位】
1.踵骨の内側〜足底筋膜の起始部(かかとの付け根)
2.足底筋膜と短趾屈筋・足底脂肪体との間
3.アキレス腱〜足底筋膜の連続部(後方ファシアライン)
2.足底筋膜炎の主な分類
足底筋膜炎には正式な国際分類がないため、当院では症状の傾向から以下の4タイプに分類して施術方針を立てています。
| タイプ | 特徴 | 主な症状 | 鍼灸の適応 |
| Ⅰ.足底筋膜起始点痛 | 足底筋膜の付着部に痛み | 朝の一歩目の踵の痛み、歩行痛 | ◎筋肉・筋膜へのアプローチが有効 |
| Ⅱ.下腿~アキレス腱関連痛 | アキレス腱やふくらはぎの影響で足底に痛み | 歩行やランニングでの痛み | ◎関連する筋肉への施術が有効 |
| Ⅲ.慢性変性型 | 足底筋膜や周囲組織が硬化 | 長時間歩行後や運動後の痛み | △筋膜ケアで軽減可能 |
| Ⅳ.その他 | 骨棘や炎症、神経圧迫を伴う場合 | 痛みの部位が限定的 | △医療機関での評価が必要 |
※骨棘や神経障害などは鍼灸だけで完全に改善することは難しく、医療機関での評価が推奨されます。
3.トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、痛みやしびれ、自律神経症状の原因となるポイントのことで、痛覚過敏部位とも呼ばれます。
トリガーポイントは、筋膜などのファシアの癒着部に発生しやすく、ファシアの滑走障害が起きることによって、痛みやしびれはもちろんのこと、動きの制限やこり感、張り感や疲労感、奥が熱い感じがする(炎症がないのに)などの、様々な症状の訴えがあります。
【特徴】
・押したり鍼をさすと、「そこそこ!」という痛いような気持ちがいいような独特な感覚がでる
・遠くの部位に痛みを出すことがある(関連痛)
・鍼で刺激すると、筋肉がピクっと反応することがある(ローカルトゥイッチ)
【足底筋膜炎に関連するトリガーポイントができやすい筋肉】
・足底筋膜自体
・腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)
・ヒラメ筋(ふくらはぎ深層筋)
・後脛骨筋、長腓骨筋(足のアーチを支える筋肉)
・ハムストリングや臀部の筋肉(姿勢や歩行の影響による関連痛)
4.トリガーポイント鍼灸療法
鍼を使ってトリガーポイントを直接刺激し、筋肉や筋膜の緊張・癒着を解消する施術方法です。
・鍼施術によって免疫反応が活性化してファシア(筋膜など)の癒着が改善し、トリガーポイントが解消→痛みやしびれ、自律神経症状などが改善
・筋肉の硬さが軽減され、痛みや張りが緩和
・特に深層の筋肉や、腱、靭帯にも効果的
足底筋膜炎では、ふくらはぎや足裏の深層筋も施術することで、より根本的な改善が期待できます。
5.安全性と精度を高めるために:超音波エコーの活用
必要に応じて超音波エコーを使い、施術部位の状態を確認しながら鍼を刺すこともあります。
安全性や正確性を高めるため、特に深層の筋肉に施術する時に活用します。
6.おわりに
足底筋膜炎は命に関わる病気ではありませんが、日常生活の「歩く」「立つ」「運動する」に支障をきたすため、ストレスは大きいです。
病院や整形外科では対応が難しい筋肉性の足底筋膜炎には、鍼灸という選択肢もあります。
《まとめ》
・足底筋膜炎はタイプによって原因が異なり、筋肉性のケースも多い
・トリガーポイントが痛みの原因になることがある
・鍼灸は筋肉や筋膜に直接アプローチでき、根本改善を目指せる
・エコーガイド下施術で安全性と精度を高めることも可能
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南浦和トリガーポイント うちくね鍼灸治療院
さいたま市南区南浦和2-35-10田中彦ビル502
Tell:048-767-3089
E-mail:s.u2017@uchikune-hari.com
院長 内久根進一
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