『口を開けたり食事をする時に顎が痛い』
『食事や会話のたびに“カクッ”と音が鳴る』
『口が大きく開かなくて歯医者にも行きづらい』

このような顎関節症の症状は、日常のちょっとした動作をつらくさせてしまうため、とてもストレスになりますよね。
中には、
・マウスピースをつかっているけれど良くならない
・病院で異常が見つからず、どうしていいかわからない
・湿布や薬でごまかしているけれど、スッキリしない
というお悩みを抱えている方が、数多くいらっしゃいます。
顎の痛みや開口障害でお悩みの方は、トリガーポイント鍼灸療法も選択肢の一つとしてご検討いただけたらと思います。
このページでは、
・顎関節症の原因と分類
・なぜ鍼灸が効果的なのか
・特に「トリガーポイント鍼灸療法」が有効な理由
について、わかりやすく解説していきます。
お悩みの方が、少しでも前向きな一歩を踏み出せるきっかけになれば嬉しいです。
1.顎関節症の原因とは?
顎関節症には以下のような症状が見られます。
・アゴの痛み(関節や筋肉の痛み)
・口を開けづらい(開口障害)
・アゴを動かすと音が鳴る(関節雑音)
・噛みにくさ、アゴの疲れ、左右差など
原因は一つではなく、いくつかが複雑に絡み合って起こっていることがほとんです。
主な原因としては:
・歯ぎしり、食いしばり(無意識の緊張)
・姿勢の悪さ(猫背、ストレートネック)
・左右どちらかだけで噛むクセ
・顎や顔のケガ、外傷歴
・顎関節の変形や炎症
これらが原因となっている中でも、近年、特に注目されているのが、筋肉や筋膜の緊張が引き起こすタイプの顎関節症です。
実は「関節」そのものではなく、アゴを動かす筋肉にある”トリガーポイント”が原因となっていることも少なくありません。
2.顎関節症の主な分類(日本顎関節学会)
顎関節症は、症状や原因に応じて大きく4〜5つのタイプに分類されます。
| タイプ | 特徴 | 主な症状 | 鍼灸の適応 |
| I型:咀嚼筋痛障害 | 噛む筋肉(咀嚼筋)に痛みが出るタイプ | 口を開けたり筋肉を押すと鈍い痛み | ◎筋肉へのアプローチが有効 |
| II型:顎関節痛障害 | 顎関節の靱帯や関節包に負担がかかる | 硬いものを噛んだときや大きく開口したときに痛み | ◎関連する筋肉への施術が有効 |
| III:関節円板障害 | 関節円板がずれることで開閉時に音や開口制限 | クリック音、開口障害 | △筋肉のこわばりや関連痛の軽減に有効 |
| Ⅳ:変形性顎関節症 | 顎関節の骨が変形 | 開口時の雑音、痛み | △補助的な筋肉ケアが中心 |
| Ⅴ:その他 | 上記以外、心身医学的要素を含む場合も | 症状によりさまざま | △ケースによる |
※関節円板常や変形性顎関節症などは、鍼灸だけで完全に改善させることは難しく、医療機関での評価が推奨される
3.トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、痛みやしびれ、自律神経症状の発生原因になる、ポイントのことです。
筋膜を中心としたファシアとよばれる結合組織が癒着を起こした部位に発生することが多く、痛みやしびれ、自律神経症状など様々な不快症状を発生させます。
トリガーポイントは、発生した場所に症状を出すことはもちろんありますが、離れた場所に症状を出すこともあります。これを関連痛と呼んでいます。
トリガーポイントを手で押したり鍼を刺すと、「そこそこ!」という感覚が出ることが多く、鍼を刺すと【ひびき】と呼ばれる独特の感覚を感じたり、【ローカルトゥイッチ】という筋肉がビクッと自動的に動く現象が起きることもあります。
顎関節症に関連するトリガーポイントができやすい筋肉
・咬筋・・・奥歯のあたり、噛む力を生む筋肉
・側頭筋・・・こめかみ付近、噛む動作に関係
・外側翼突筋・・・深層筋、口を開ける時に使う
・胸鎖乳突筋・・・首の横の筋肉、肩こりや頭痛にも関与
・僧帽筋などの肩まわりの筋肉・・・姿勢の悪さからくる関連痛
4.トリガーポイント鍼灸療法
鍼を刺すことによって、トリガーポイントを解消する施術方法です。主に、トリガーポイントが発生しやすいファシアの癒着部位に施術を行います。
鍼施術によって免疫反応が活性化してファシアの癒着が改善し、トリガーポイントが解消されていきます。
トリガーポイントの解消を目的とした方法はたくさんありますが、深層の筋肉や、腱、靭帯などのトリガーポイントが症状の原因の場合も多く、このようなケースでは鍼での施術の有効性が高い可能性があります。
5.安全性と精度を高めるために:超音波エコーの活用
必要に応じて超音波エコーを用いて施術(エコーガイド下fasciaリリース)を行います。部位や症状によって、安全性や精度を高めるために使用します。
6.おわりに
顎関節症は命に関わる病気ではありませんが、日常の「食べる」「話す」「笑う」に支障をきたすため、ストレスは大きいです。
病院や歯科では対応が難しい筋肉性の顎関節症には、鍼灸という選択肢もありますので、お悩みの方はぜひご検討いただけたらと思います。
《まとめ》
・顎関節症はⅠ〜Ⅴ型に分類され、筋肉性のケースも多い
・トリガーポイントが症状の原因になることも
・鍼灸は筋肉に直接アプローチでき、根本改善を目指せる
・安全性を高めるために、エコーガイド下施術も可能
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南浦和トリガーポイント うちくね鍼灸治療院
さいたま市南区南浦和2-35-10田中彦ビル502
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院長 内久根進一
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